工具損傷形態 |
原因 |
対策 |
逃げ面摩耗 (フランク摩耗) |
工具材種が軟らかすぎる
切削速度が高すぎる
逃げ角が少なすぎる
送り量が極端に低すぎる |
耐摩耗性の高い工具材種にする
切削速度を下げる
逃げ角を大きくする
送りを上げる |
すくい面摩耗 (クレータ摩耗) |
工具材種が軟らかすぎる
切削速度が高すぎる
送り量が高すぎる |
耐摩耗性の高い工具材種にする
切削速度を下げる
送りを下げる |
チッピング |
工具材種が硬すぎる
送り量が大きい
切れ刃強度の不足
シャンク・ホルダの剛性不足 |
靭性の高い工具材種にする
送り量を下げる
ホーニング量を大きくする (丸ホーニングならチャンファーホーニングにする)
シャンクサイズの大きいものにする |
欠損 |
工具材種が硬すぎる
送り量が大きい
切れ刃強度の不足
シャンク・ホルダの剛性不足 |
靭性の高い工具材種にする
送り量を下げる
ホーニング量を大きくする (丸ホーニングならチャンファーホーニングにする)
シャンクサイズの大きいものにする |
塑性変形 (切れ刃のだれ) |
工具材種が軟らかすぎる
切削速度が高すぎる
切り込み・送りが高すぎる
切れ刃の溫度が高い |
耐摩耗性の高い工具材種にする
切削速度を下げる
切り込み・送りを小さくする
熱伝導率の大きい工具材種にする |
構成刃先 (溶著) |
切削速度が低い
切れ味が悪い
材種選定の不適合 |
切削速度を上げる (S45Cでは80m/min以上)
すくい角を大きくする
親和性の低い工具材種にする (コーティング材種・サーメット材種にする) |
熱亀裂
|
切削熱による膨張と収縮
工具材種が硬すぎる ※特にフライス加工 |
乾式切削にする(濕式切削の場合、切削油剤は全體に充分かける)
靭性の高い工具材種にする |
境界摩耗 |
黒皮部、チル化部および加工硬化層など表面が硬い
ノコギリ狀切りくずによる擦り
(微振動により発生する) |
対摩耗性の高い工具材種にする
すくい角を大きくし、切れ味を良くする |
フレーキング |
切れ刃の溶著・凝著
切りくず排出が悪い |
すくい角を大きくし、切れ味を良くする
チップポケットを大きいものにする |
逃げ面摩耗(フランク摩耗)欠損
※本損傷は、超高圧焼結體です |
典型的な刃先強度不足による欠損 |
ホーニング量を大きくする
耐欠損性の高い材種へ変更する |
すくい面摩耗(クレータ摩耗)欠損
※本損傷は、超高圧焼結體です |
工具材種が軟らかすぎる
切削抵抗が高く、切削熱の発熱量が大きい |
ホーニング量を小さくする
耐摩耗性の高い材種へ変更する |